長い年月 なぜに特定の温和な利用者が介護者とトラブルになるのか、よくわかりませんでした。
また、その逆で、温和な介護者が利用者と揉めるのか、原因が突き止められませんでした。

 

あまり介護者が利用者の口撃に会うので、現場でずっと観察する機会が得ました。
トラブルが起きるときのパターンがあるのがわかりました。

 

通常のマニュアルではない介護を利用者が求めるとき、たとえば、利用者が疲労していて、それを介護者に察してほしい場合。
介護者は居宅介護計画に添って、まじめに介護しているのですが、利用者としては、自分の表情を察して、臨機応変にいつもとは違う介護をしてほしいのです。

 

また、介護者が利用者に伝言を伝える場合の時です。
たとえば、何かの書類が提出されてない場合です。
「○○さんに頼まれて話をしていますが」という前提の言葉がなく、自分の立場からしてどうなのかという表現もなく、伝言をした時です。
利用者は「あなたも書類が提出できない状況があるのは、介護しながら知っていたでしょうのに!」と不機嫌な気持ちになります。
自分の立場をわきまえて、しゃべって欲しいという欲求です。

 

これは、いったいなんだろうか。
なにが手がかりがないか、様々な本を読みましたが、
この本に出会い、目のうろこが落ちました。

 

 

あくまで、イラストレーター 野波ツナさんのだんなさんの場合の特性についてまとめられているので、
どんなアスペルガー症候群の特性にもあてはまるかは、たぶん違うと思います。
個人の性格や置かれている環境も違うので、
全部が全部、自分の知っている人の特性にも、あてはまりません。

 

それでも、自分の知っている人たちとの共通点は、多いです。

 

①話し合いが、心理的緊張場面では、だまりこんでしまう。
トラブルが起きた後、原因追及の話し合いをしても不発になります。
いつもリラックスした状態で話ができるように心がけます。

 

②相手が怒っていることには敏感だけれど、何に怒っているかは伝わりにくい。
だから、同じトラブルが繰り返されます。
相手の表情を読み取るのが苦手です。
こちらの心情も言葉で具体的に伝える必要があります。

 

③自分の立場からどう思うかというより、評論家が言うような言い方になりがち。

 

自分の知り合いの中には、診断名をもらった人もいますが、
もらってない人のほうが多く、なかなか本人もトラブルの原因がわかりづらい傾向にあると思います。

 

それにつきあいが浅い人たちには、その人の特性がわかりづらく、
そういうことを問題にしている私が、「だれにでも、人間にはそういう傾向を持っている。なんでそうレッテル貼りするの?」
などと言われることも多いです。

 

だまりこんでしまうのも障がいが原因なのです。
本人の「誠実な意思」の問題にしがちなのは、間違っています。

 

話し合いになって、だまり込んでいると、
「なんで問題解決のために話しているのに、なにもしゃべらないの!」と怒り出す人がいます。
それは虐待につながってしまう危険性をはらんでいます。

 

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